1.保険金のお支払いが受けられる場合
自動車の運行によって他人を傷つけたり、死亡させたりしたために、被保険者(保険の補償を受けられる方、具体的には保有者または運転者)が損害賠償責任を負担した場合の損害について保険金のお支払いが受けられます。(人身事故に限ります。)
※保有者には、レンタカーを借りて使用する人、友人の車を借りて使用する人、陸送業者なども含まれます。
2.保険金のお支払いが受けられない場合
次のような場合には、保険金のお支払いが受けられませんのでご注意ください。
(1)電柱に衝突したりして、被保険者自身が負傷したようないわゆる自損事故の場合
(2)保有者が次の3つの条件をすべて立証できる場合
A.自己および運転者がバイクの運行について注意を怠らなかったこと
B.被害者または運転者以外の第三者に故意・過失があったこと
C.自動車に構造上の欠陥または機能の障害がなかったこと
(3)保険契約者または被保険者の悪意によって、損害が生じた場合
(4)一台の自動車に重複して自賠責保険の契約がついているときは、締結したときがもっとも早い契約で保険金が支払われ、他の契約からは重複して支払われません。
3.お支払いの内容
お支払額は、次表の基準により損害額を調査のうえ、お支払い限度額の範囲内で決定されます。
●保険金お支払いの内容(平成14年4月1日以降発生の事故)
傷害の場合
傷害による損害
<お支払い限度額>
被害者1人につき最高120万円
<お支払いする内容>
治療関係費…応急手当費、診察料、入院料、
投薬料、手術料、処置料、通院費、看護料、諸雑費、
柔道整復等の費用、義肢等の費用、診断書等の
費用、文書料など原則として実費とし、治療・療養に
必要かつ妥当な額をお支払いいたします。
休業損害…1日につき5,700円を
お支払いいたします。ただし、立証資料等により
1日につき5,700円を超えることが明らかな場合は、
1日につき19,000円を限度として、実額をお支払い
いたします。休業損害の対象日数は実休業日数を基準
とし被害者の傷害の態様、実治療日数その他を
勘案して、治療期間の範囲内で決められます。
慰謝料…1日につき4,200円をお支払いいたします。
慰謝料の対象日数は被害者の傷害の態様、実治療
日数その他を勘案して、治療期間の範囲内で
決められます。
後遺障害による損害
<お支払い限度額>
障害の程度により被害者1人につき
●神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合
常時介護のとき…最高4,000万円
随時介護のとき…最高3,000万円
●上記以外の場合 (14等級あります。)
第1級…最高3,000万円
第14級…最高75万円
<お支払いする内容>
逸失利益(後遺障害がなければ得られたはずの収入)
慰謝料等
●神経系統・精神・胸腹部臓器に著しい障害を残して介護が必要な場合
常時介護が必要なときは1.600万円
(被扶養者がいるときは1,800万円)、
随時介護が必要なときは1,163万円
(被扶養者がいるときは1,333万円)
また、初期費用等として、常時介護が必要なときは
500万円、随時介護が必要なときは205万円が加算
されます。
●上記以外の場合
障害程度により、第1級1,100万円〜第14級32万円
(第1級、第2級、第3級該当者で被扶養者が
いるときは、第1級1,300万円、第2級1,128万円、
第3級973万円)
死亡の場合
死亡による損害
<お支払い限度額>
被害者1人につき最高3,000万円
<お支払いする内容>
葬儀費…60万円
ただし、立証資料等により60万円を超えることが
明らかな場合は、100万円を限度として、必要かつ
妥当な実費をお支払いいたします。
逸失利益(生きていれば得られたはずの収入)
死亡本人の慰謝料…350万円
遺族の慰謝料…遺族の人数により550万円〜750万円
なお、被害者に被扶養者がいるときは、この金額に
200万円加算します。
死亡に至るまでの傷害による損害
<お支払い限度額>
被害者1人につき最高120万円
<お支払いする内容>
傷害による損害の場合と同じです。
(注)次のような場合には保険金を減額してお支払いいたします。
1.被害者に重大な過失があるとき。
2.受傷と死亡との間および受傷と後遺障害との間の因果関係の有無の判断が困難なとき。
4.保険金のご請求
(1)万一事故を起こしたときは
事故を起こしたときは、まずケガ人の救護につとめ、それとともに必ず警察に届出てください。
また、被害者と加害者、自賠責保険証明書番号など事故のあらましを東京海上日動にお知らせください。
なお、事故(損害賠償)の解決方法には示談、調停、裁判がありますが、円満な解決のためには、お見舞、おわび、死亡事故の場合の葬儀参列等、加害者が被害者に対してできる限り誠意をつくすことが、何より大切です。
(2)保険金を請求できる人は加害者(被保険者)と被害者です。
保険金の請求には、本請求のほか、内払請求と仮渡金があります。
請求の方法と請求できる人は次のとおりです。
●保険金請求の方法と請求できる人
<本請求>
請求者;加害者
○加害者がまず被害者に損害賠償金を支払ったうえで、その領収証その他必要書類を添えて保険金の請求ができます。
○実際に被害者に支払った金額についてだけ請求できることになっています。
請求者;被害者
○加害者の加入している保険会社に直接、診療報酬明細書等必要書類を添えて損害賠償額の請求ができます。
<仮渡金>
請求者;加害者
○請求できません。
請求者;被害者
○当座の出費をまかなうために、前払い金として請求できます。
支払われる金額は、
A.死亡の場合…290万円
B.傷害の場合…その程度に応じて40万
円、20万円、5万円の3段階があります。
(注1) 仮渡金は、最終的に保険金としてお支払いする金額が決定したときに差引き精算されます。仮渡金は保険金の前払いですので、お支払いする金額が既にお支払い済みの仮渡金より少ないときはその差額を、また、加害者に責任がないと認められるときなどはその全額をお返しいただく ことになります。
(注2) 被害者請求をする場合には、加害者が契約している自賠責保険で請求することになりますので、保険会社名、自賠責保険証明書番号の確認が必要です。なお、加害者から支払いを受けた損害については保険金から差引かれます。
(注3) 保険金額(お支払いする保険金の限度額)の範囲内で、請求額が損害額を下回ると思われる場合には、示談や調停などが成立していない場合に限って 保険金の追加請求ができることを被害者にお知らせすることになっています。
(3)保険金請求に必要な書類は
保険金をご請求になる場合に必要な書類は
自賠責保険請求提出書類一覧表のとおりです。
請求方法に応じて必要書類をお取りそろえのうえ東京海上日動の自賠責保険事故受付窓口へご提出ください。
(4)時効は
A. 3年で時効となりますので、早めに請求しましょう。
加害者請求の場合は被害者に損害賠償金をお支払いになった日の翌日から、被害者請求(仮渡金をふくみます。)の場合は、通常、事故があった日の翌日から、3年で時効となり、それ以後は請求できなくなりますので、お早めにご請求ください。
B. 3年以内に保険金の請求ができないときは
治療が長引いたり、後遺障害が確定しないとき、また、加害者と被害者の話合いがつかないなど、3年以内に保険金の請求ができそうにないときには、前もって東京海上日動の自賠責保険事故受付窓口にご相談ください。
(5)請求書類の受付けから支払いまで
たくさんの請求をすみやかに、しかも公平に処理するために、東京海上日動の自賠責保険事故受付窓口で受付けた請求は、損害保険料率算出機構・自賠責損害調査事務所が調査いたします。東京海上日動はその結果に基づいて最終的に保険金を決定してお支払いいたします。
※2010年4月1日以降発生の事故については、必要となる書類をご提出いただく等、必要な手続きを完了した日からその日を含めて30日以内に、保険金を支払うために必要な事項の確認を終えて保険金をお支払します。(特別な照会または調査が不可欠な場合には、東京海上日動は確認が必要な事項およびその確認を終える時期を被保険者に通知し、約款に定める日数までに保険金をお支払します。)
(6)保険金等のお支払いに関する情報の提供
加害者(被保険者)または被害者が、保険金等が適正に支払われているか否かを自ら判断できるようにするために、以下のとおり、保険金等のお支払いに関する情報を書面により提供いたします。
A. 支払基準の概要、お支払い手続きの概要、紛争処理機関の概要(保険金等を請求された時点)
B. お支払いした金額、後遺障害の等級とその判断理由、減額の割合とその判断理由
(保険金等をお支払いした時点)
C. お支払いできなかった場合、その理由(お支払いできないことが確定した時点)
また、上記に加えて必要な追加情報を請求することができます。